ChatGPTで伝わりにくいメッセージを検出してみた

ChatGPTで伝わりにくいメッセージを検出してみた

Clock Icon2023.03.25

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こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
業務上のやりとりは普段の雑談とは異なり正確さが求められます。
誤って伝われば、その後の業務がまるごと無駄になる可能性すらあります。
そこで、ChatGPTでメッセージに含まれる、問題点をチェックしてみました。

前提

この記事ではChatGPT-3.5のウェブ版を利用しています。

試すこと

業務上のやりとりにおいて、普段の緩やかなコミュニケーションよりも意図を正確に相手に伝える必要があります。
相手に伝えた内容に分かりにくい部分や曖昧な部分があれば、内容が誤認識されてしまいかねません。
今回は、メッセージに含まれる誤認識されやすい要素の検出をChatGPTに依頼してみました。

検出内容

以下のような部分に着目して検出してもらいます
  • 省略 - 必要な情報が省略されている
  • 曖昧 - 曖昧な表現がある
  • 飛躍 - 論理的に飛躍がある
  • 長文 - 1文が長すぎる

1回目 - 主語や比較対象の省略

入力

業務上のやりとりにおいて、正確に意図通りに相手に伝える必要があります。
以下の伝わりにくい文章の特徴にまとめた観点で入力文の内容をチェックし、もし文章に問題があれば何が問題か説明し、改善案をしてください。
フォーマットは出力ルールにしたがってください。
# 伝わりにくい文章の特徴:
・省略 - 必要な情報が省略されている
 ・省略の例
  ・5W1Hの省略
  ・主語の省略
  ・目的語の省略
  ・比較対象の省略
  ・説明のない略語の使用
  ・解釈が定まらない指示語の使用
・曖昧 - 曖昧な表現がある
 ・曖昧の例
  ・かなり、ほとんどなどの形容詞の使用。定量的に表現可能なら定量的に確認したい
  ・思う、らしいなど断定的ではない情報の使用。推測なのか、事実なのかを確認したい
  ・論点が曖昧。明示していない前提のある内容
・飛躍 - 論理的に飛躍がある
 ・飛躍の例
  ・O型だから大雑把である
  ・偉い人が言っていたから正しい
  ・彼が遅刻したのは夜更かししたからに決まっている
・長文 - 1文が長すぎる
 ・長文の例
  ・「あの本は非常に面白く、いつまでも読んでいたいが、見た目はみすぼらしい」。この場合、2つのメッセージを分割したい。「あの本は非常に面白く、いつまでも読んでいたい。しかし、本の見た目はみすぼらしい」
# 出力フォーマット:
指摘が複数ある場合は、以下のフォーマットを指摘数文出力してください。
指摘がない場合は、「この文章に対する指摘はありません」と出力してください。
【指摘1】
>指摘箇所の引用
■指摘理由
指摘理由の説明
■改善案
改善案の説明
# 入力文:
とても高い

出力

【指摘1】
とても高い
■指摘理由
「とても高い」という表現が曖昧であり、具体的な数値を示していないため、何を比較して「とても高い」と表現したのかがわかりません。
■改善案
具体的な数値を示して表現することで、何を比較して「とても高い」と表現したのかを明確にしましょう。
例えば、「彼の身長は185cmで、周りの人と比べてとても高いです」と表現することで、何を比較した結果として「とても高い」と表現したのかがわかりやすくなります。

キャプチャ

コメント

想定通り、曖昧な表現を検出してくれました。

2回目 - 正しい文章

入力

入力文以外の途中までは1回目と同じ
# 入力文:
田中さんの身長は195cmある。

出力

この文章に対する指摘はありません。

キャプチャ

コメント

想定通り、正しい文章の場合、想定通り指摘なしでした。

3回目 - 論理に飛躍がある

入力

入力文以外の途中までは1回目と同じ
# 入力文:
佐藤さんの遅刻は怠惰によるものに違いない

出力

【出力ルール】
入力文の問題点を説明し、改善案を提示する。改善案が複数ある場合は、いくつかの選択肢を提示する。
【入力文の問題点】
佐藤さんが遅刻した原因が「怠惰」と主張している点である。
決めつけるような表現を使用している点である。
【改善案】
遅刻の原因については、事実を確認する必要があります。もし原因が不明な場合は、遅刻について事実を確認してから、原因を推測することが適切です。
佐藤さんの遅刻が怠惰によるものであるかどうかについては、判断を保留し、表現を軟化することが望ましいです。たとえば、「佐藤さんが遅刻した理由については、詳細は不明ですが、今後改善するようお願いいたします」というように、表現を丁寧にすることが重要です。

コメント

想定通り、論理の飛躍を検出してくれました。
また、元々依頼していた指摘観点以上のポイントとして伝え方に関わる問題点と改善提案まで追加でしてくれています。

キャプチャ

4回目 - 省略・曖昧・飛躍・長文

入力

入力文以外の途中までは1回目と同じ
# 入力文:
かなり長いが、もっと伸ばせるだろうし、伸びるものは黒いだろうが、黒いものは熱くなりやすい。

出力

【指摘1】
かなり長いが、もっと伸ばせるだろうし、伸びるものは黒いだろうが、黒いものは熱くなりやすい。
■指摘理由
この文は、曖昧性や省略が多く含まれています。例えば、「かなり長いが」という表現は、具体的な長さが不明瞭であるため、情報の正確性に欠けます。また、「もっと伸ばせるだろうし」という表現も、何を伸ばせるのかが明確でないため、読み手に正確なイメージを与えません。さらに、「伸びるものは黒いだろうが、黒いものは熱くなりやすい」という文は、論理的な飛躍があり、意味が不明確です。
■改善案
まず、「かなり長いが」という表現を具体的な長さに置き換えることで、読み手に正確な情報を与えます。また、「もっと伸ばせるだろうし」という表現を、「何を伸ばせるのか」を明確にし、詳細な情報を付加することで、読み手に正確なイメージを与えます。「伸びるものは黒いだろうが、黒いものは熱くなりやすい」という文は、論理的飛躍があるため、明確な関係性を示す接続詞を加えることで、意味を明確化することができます。例えば、「伸びるものは黒いが、黒いものは熱くなりやすいとされている」というようにです。

キャプチャ

コメント

複数の問題点を含む文章をチェックしてもらいました。
曖昧さ、省略、論理の飛躍を全て指摘してくれています。
ただし、内容が意味不明だからか、文章の長さに関する指摘はありませんでした。

5回目 - ブログの一部分

入力

入力文以外の途中までは1回目と同じ
# 入力文:
All-leadership meetingsとは、すべてのリーダーがあつまってのミーティングです。
実施の目的としては、新たな全社方針を浸透させたい場合など、リーダー全体で足並みを揃えて動く必要があるお題について議論し、認識統一し、実施につなげるためです。

出力

この文章に対する指摘はありません。

キャプチャ

コメント

自分のブログの内容にOKをもらえてなんだかちょっと嬉しい。
ちなみにこの記事から抜粋した内容です。

まとめ

以下のような部分に着目して、ChatGPTにメッセージのチェックしてもらいました。
  • 省略 - 必要な情報が省略されている
  • 曖昧 - 曖昧な表現がある
  • 飛躍 - 論理的に飛躍がある
  • 長文 - 1文が長すぎる
結果としては、いい精度で検出してくれています。
ChatGPT-3.5でこの精度ですし、GPT-4ならもっといけるかも?
用法としては、例えばテキストコミュニケーションにおける問題点を減らす訓練に使えそうです。
例えば、
  • テキストで正確に物事を伝えるのが苦手だという認識はあるが、具体的にどこが悪くてどう直せばいいかわからない人
  • 他者から文章が分かりにくいと言われるが、具体的にどこが悪くてどう直せばいいかわからない人
などが利用してみるとよさそうです。
こういった内容は人から指摘されると受け入れがたい面があるかもしれませんが、コンピューターに言われると意外と受け入れやすい、という意味で有用なのではと思います。

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